人間の尊厳
理事長 岩崎 好宏
3月28日に理事会を開催し、令和6年度の事業計画・予算をはじめ、佐藤和孝をみずほの家所長とする人事案件等のご承認をいただき、新年度がスタートしました。
昨年度の後半は、全国身体障害者施設協議会(身障協)の制度・予算対策委員を仰せつかっている関係で、障害報酬改定に伴う何十回もの意見交換・陳情・セミナー等の対応に忙殺されました。ここ数年の物価高騰・賃金上昇を考慮すると、+1.12%の改定率は不十分ですが、経営実態調査結果(収支差率)や持続可能な制度とする観点から一定の評価をしているところです。
支え手が減少する中で処遇改善を行いながら人材確保に努め、利用者の皆さんが地域の中で必要なサービスを受けられるよう、施設・事業所の活動・役割を国民の皆さんに理解していただくことは重要な課題となっています。今年度も地域の皆さん、様々な団体と共生・共助しながら、地域福祉の向上と地域の活性化に取り組み、地域になくてはならない法人を目指してまいります。
さて、身障協の初代会長でもある德川輝尚顧問の書籍「流れの小石」が2月に出版されました。身障協の3つの理念の一つである「最も援助を必要とする最後の一人の尊重」は、福祉に身を置く私たちにとって大切な考えです。著書の中で、地域共生社会を創るために最も大事なことは「人間の尊厳を認め、これを守ること」であると述べています。①自由と平等の尊重、②可能性の尊重、③目的のある生活、④必要な存在と認めること等を意識しながら、障害者や高齢者の尊厳あるケア(支援・介護)をどう実現していくか、学びの多い書籍となっています。
みんなが共に幸せに生きる安らかで豊かな地域社会の実現に向けて、自己反省、自己研鑽そして自己改革を続けながら、同じ志を持つ仲間とともに誇りをもって働いていきたいと思います。